2010年6月の記事一覧

2010年6月30日(水)

なんてこったい、南米ってやつは


準々決勝第1試合、たとえばブラジルがオランダを下す。

第2試合、ウルグアイがガーナを破る。

第3試合、アルゼンチンがドイツを退ける。

第4試合、パラグアイがスペインを倒す。


すると準決勝の対戦カードは、ブラジル対ウルグアイ、アルゼンチン対パラグアイに。

んっ、コパ・アメリカ?南米選手権か?


なんてこったい、南米ってやつは。




著者はウルグアイ生まれ、ラテンアメリカの代表的作家であり、ジャーナリスト。


「教会のない村はあっても、サッカー場のないところはない。試合のない日曜には、退屈のあまり死人が出ても不思議はない。そんなラテンアメリカで生まれた極上のサッカー・エッセイ」。


EL  FUTBOL  A  SOL  Y  SOMBRA


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「スタジアムの神と悪魔 [サッカー外伝]」エドゥアルド・ガレアーノ著/飯島みどり訳(みすず書房)

2010年6月29日(火)

まったく、南米ってやつは


南米勢がついに1チーム姿を消した。

決勝トーナメント1回戦でチリが敗退。


って、相手も南米のブラジルだったわけだが。


というわけで南米勢が強い。

いつも強いが、今大会はとりわけ強い。


ここまでウルグアイが3勝1分、アルゼンチンが4勝、パラグアイが1勝2分、ブラジルが3勝1分、チリが2勝2敗で、通算成績は13勝4分2敗。

2敗は敗退したチリが喫したものだから、残る4チームは今大会まだ負けなしということになる。


たった10ヶ国しかないのに、そのうち半分の5ヶ国がW杯に出てきて、それがみんな強い。

まったく、南米ってやつは。


さて、今夜はひとつ、そんな南米をあっと驚かせてやるか。


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「南米蹴球紀行 英国・ガーディアン紙記者が見た中南米フットボールの光と影」クリス・テイラー著/東本貢司訳(ケイブンシャ)

2010年6月28日(月)

ついでに欧州ドリームチームのメンバーも


昨日、「南米サッカーのすべて」の著者が選んだ南米ドリームチームの顔ぶれを紹介した。


ついでなので、今日は1995年12月に同時発売された「欧州サッカーのすべて」にある、これも著者が選んだ欧州ドリームチームのメンバーを紹介しようと思う。

欧州からはレッズ(赤チーム)とブルーズ(青チーム)の2チームが選抜され、その両チームがアテネのオリンピック・スタジアムで対戦。(もちろん架空の試合です)

それを経て、ベストイレブンという形で統一チームが選ばれた設定になっている。


欧州ドリームチームのメンバーは以下の通り。


GK ゴードン・バンクス(イングランド)

DF クラウディオ・ジェンティーレ(イタリア)/フランコ・バレージ(イタリア)/ボビー・ムーア(イングランド/キャプテン)

MF フランツ・ベッケンバウアー(ドイツ)/ボビー・チャールトン(イングランド)/ヨハン・クライフ(オランダ)

FW ジョージ・ベスト(北アイルランド)/ロベルト・バッジョ(イタリア)/エウゼビオ(ポルトガル)/ゲルト・ミュラー(ドイツ)


このメンバーが選ばれてから15年になるが、新たに加わるメンバーって誰だろう。


うーん……、ジダンくらいのものかな。


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「欧州サッカーのすべて」クリストファー・ヒルトン著/野間けい子訳(大栄出版)

2010年6月27日(日)

中立地の衝撃は、まだ終わらない


本書が出版されたのは1995年12月。

世界地図にまだ日本が載っていなかった頃のこと。(もちろん比喩ですよ)


その中で著者が選んだ南米ドリームチームが紹介されている。


GK ラディスラオ・マズルキヴィッチ(ウルグアイ)

DF カルロス・アルベルト(ブラジル)/イルデラルド・ルイス・ベリーニ(ブラジル)/ダニエル・パサレラ(アルゼンチン)/ニルトン・サントス(ブラジル)

MF オスバルド・アルディレス(アルゼンチン)/ソクラテス(ブラジル)/マラドーナ(アルゼンチン)

FW ジャイルジーニョ(ブラジル)/マリオ・ケンペス(アルゼンチン)/ペレ(ブラジル)


このチームが、欧州ドリームチームと戦うという設定なのだが、そのドリームマッチの理想的な開催地として挙げられているのが東京。

理由は「純粋に中立だから」。


かつてのトヨタカップに象徴されるように、まだ世界地図に乗っていなかった頃の日本は(もちろん比喩ですよ)、いつも単なる「中立地」でしかなかった。


さあ、本当の祭りはこれからだ。

中立地の衝撃は、まだ終わらない。


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「南米サッカーのすべて」クリストファー・ヒルトン&イアン・コール著/野間けい子訳(大栄出版)

2010年6月26日(土)

もし失敗したら、銃で撃たれても仕方がない


南アフリカW杯は16強が出揃った。

日本がいる。

韓国もいる。


そして今日、いよいよノックアウト方式の決勝トーナメントが幕を開ける。


またPK戦という名の非情なドラマは生まれるのか。


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「PK 運命を決めたペナルティーキックの伝説」クラーク・ミラー著/伊達尚美訳(イースト・プレス)

2010年6月25日(金)

6月25日という日


日本時間の6月25日、午前5時20分過ぎ、日本は3対1でデンマークに勝利。

自国開催の2002年を除けば史上初となる、W杯での決勝トーナメント進出を決めた。


スタンドでメガホン片手に吠え続ける植田朝日さんの姿とか、3点目のゴールを決めた岡崎選手の尻に祝福の蹴りを入れる松井選手の姿とか、勝利の輪の中心で誰よりも派手に踊る稲本選手の姿とか、32回目の誕生日を毅然とした態度で貫いた中村俊輔選手の姿とか、印象に残ったシーンを書き出せばキリがない。


これで6月25日という日はサッカー界にとっても特別な日になった。


サッカー界にとっても、と書いたのは、6月25日という日は半世紀前から野球界にとって特別な日だったから。


日本プロ野球史において最も有名な、かつ最も重要な試合が行なわれた日。


プロ野球が国民的スポーツになった日から51年、6月25日はサッカーが国民的スポーツになった日としても語り継がれることになるかもしれない。


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「あの日、野球の神様は”背番号3″を選んだ 天覧試合 昭和34年6月25日」松下茂典著(ベースボール・マガジン社)

2010年6月24日(木)

そんなサッカー小説


あとがきには、こうある。


「中田英寿選手がイタリアに行き、セリエAのゲームを毎週見るようになってから、この小説のアイデアが生まれた」


そして、あとがきはこう締めくくられている。


「ちなみに、夜羽冬次と中田英寿は、サッカーがうまいところと、野菜が嫌いというところ以外は全然別です」


そんなサッカー小説。


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「悪魔のパス 天使のゴール」村上龍著(幻冬舎)

2010年6月22日(火)

魅惑の……


7対0。

ポルトガルが北朝鮮を粉砕した。


「ポルトガル・サッカー、それはまさに魔術的だ。驚異的な技術だけがそれを可能にした」


一昔前、フェルナンド・コウトや、ルイ・コスタや、ルイス・フィーゴが輝いていた時代、ポルトガル・サッカーに心酔していた村上龍さんは、今もまだ彼らのサッカーに胸躍らせているのだろうか。




そして今日から、グループリーグはいよいよ運命の最終カードを迎える。


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「ポルトガル・サッカー物語」市之瀬敦著(社会評論社)

2010年6月21日(月)

「村上龍」でサッカーを読む


1998年から2002年にかけて出版された、<フィジカル・インテンシティ>なるシリーズがある。

村上龍さんのサッカー・エッセイ集だ。


<フィジカル・インテンシティ>とはどんな意味か、村上さんはこう説明している。


「昔、ニューヨークのホテルのテレビでNFLを見ているとき、あるチームのランニングバックを評して、彼のランにはインテンシティがある、という風に解説者が言っていた。インテンシティには、強度とか強さ、強烈さ、鮮やかさ、といった意味があるが、それはたとえばヘラクルスのような強さではない。恒常的な強さではなく、スポーツなどで発揮される瞬間的な肉体の強度のことだ」


そして、この<フィジカル・インテンシティ>がどんなエッセイ集か、村上さんの言葉によればこんなエッセイ集ということになる。


「オレ別にサッカーで食ってないから、何でも書けるんだよね」


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「フィジカル・インテンシティ  ’97-’98 season」村上龍著(光文社)

「奇跡的なカタルシス フィジカル・インテンシティⅡ」村上龍著(光文社)

「アウェーで戦うために フィジカル・インテンシティⅢ」村上龍著(光文社)

「MUNDIAL2002 世界標準を越えて フィジカル・インテンシティⅣ」村上龍(光文社)

「熱狂、幻滅、そして希望 2002 FIFA World Cup レポート フィジカル・インテンシティⅤ」村上龍著(光文社)

2010年6月20日(日)

なんだ、そんなサッカーもできるのか


オランダのサッカーは、ちっとも美しくなんてなかった。

美しくあることにこだわらず、きっちりと勝ち切った。


なんだ、そんなサッカーもできるのか。


らしくないサッカーだった。

でも、オランダは勝った。


対する日本は、ある意味、思い描いていた通りのサッカーだった。

でも、負けた。


両者の差はそれ以上でも、それ以下でもない。


オランダのサッカーについて書くことはしばらくなさそうなので、せっかくだからもう一冊。


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「トータル・フットボールの世界 オランダサッカー強さの秘密」糀正勝著(三省堂)

2010年6月19日(土)

オランダとの決戦を前にして


思い出す試合がある。


EURO2000の準決勝、オランダ対イタリア。

変幻自在の攻撃サッカーを展開する開催国・オランダが、終始イタリアを圧倒。

さすがのイタリアも耐え切れずファウルを連発、イエローカードを受け続け、前半34分にはザンブロッタが退場、その後、2つのPKを献上した。

しかしながら、それでもイタリアはオランダに得点を許さなかった。

怒涛の波状攻撃をついに凌ぎ切り、120分間戦って、0対0。

そして激闘の末、PK戦を制したのはイタリア。


「内容と結果が一致せず不平等」と言われた、実に印象的な一戦だ。




オランダが生んだフットボール界最高のカリスマは語った。


「私は攻撃型のサッカーを愛している。常に個性的でありたいと思う。美しいサッカーで結果を出すこと、その信念は時を経ても変わっていないことを本書で理解していただければ幸いである」


本書のタイトルは「美しく勝利せよ」。

そして、昨日ここで紹介したのは「美しいサッカーはなぜ負けるのか?」。


符合している。


さあ、心の準備はできたか。


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「ヨハン・クライフ『美しく勝利せよ』」フリーツ・バーランド/ヘンク・ファンドープ著 金子達仁監訳(二見書房)

2010年6月18日(金)

美しいサッカーはなぜ負けるのか?


スペインが負けた。

フランスが負けた。

よもや……、オランダまでもが負けてしまうのか。


美しいサッカーはなぜ負けるのか?

本書が取り上げているのは「21世紀最初のスーパーチーム」レアル・マドリード、「黄金の4人」ブラジル、「トータル・フットボール」オランダ、「シャンパン・サッカー」フランス。


決戦を前にして、日本目線でいるから、さすがにオランダには勝てないという気分になる。

だったら、オランダ目線になってみればいい。

そう、オランダだって負けることはある。


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「理想のフットボール 敗北する現実」大住良之著(双葉社)

2010年6月17日(木)

勝つことのみが善である


サッカーのW杯の真っ只中ではあるが、今日はもう一つのフットボールの偉人に触れたい。


もう一つのフットボールとは、ラグビーフットボール。

偉人とは、故・宿澤広朗さん。


「歴代屈指のスクラムハーフ」と評される宿澤さんは、早大時代に日本代表入り。

後に「日本ラグビー界の切り札的存在」として代表監督に迎えられ、世界的な強豪・スコットランドから歴史的勝利を挙げている。


そんな宿澤さんの座右の銘とされるのが「勝つことのみが善である」。

そして「努力は運を支配する」。

ラガーマンとしても、銀行マンとしても超一流であった宿澤さんの生き様を、読まない手はない。


最後になったが、今日6月17日は、宿澤さんの5回目の命日にあたる。


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「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」永田洋光著(ぴあ)

「宿澤広朗 運を支配した男」加藤仁(講談社)

2010年6月16日(水)

併読をお薦めします


昨日の一冊と今日の一冊は、2007年1月に同時刊行されたもの。


昨日の一冊は「日本代表が戦った1021試合の記録を完全網羅!日本サッカーを考えるための初めての本格的資料集」、今日の一冊は「日本代表は世界とどう戦ってきたのか。膨大なフィールドワークと徹底的な検証によって露になった日本サッカーの輪郭」、いずれも巻末には丁寧に「併読をお薦めします」の案内が。


1917年5月9日、東京・芝浦の埋立地で行なわれた中華民国戦(0対5で完敗)から、2006年11月15日、札幌ドームでのサウジアラビア戦(3対1で勝利)まで、日本代表の90年がたっぷり読める。


この90年を読み切ってからカメルーン戦の勝利を噛み締めると、また味わいが違ってくるかも。


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「日本サッカー史 日本代表の90年」後藤健生著(双葉社)

2010年6月15日(火)

特筆すべきことではないワンシーンが、強く印象に残ることもある


値千金の先制ゴールをアシストした松井大輔選手に代え、岡崎慎司選手が投入された後半24分、カメラはベンチで迎えられる松井選手の姿を追った。


そのほんの数秒間、画面の右端に映っていたのは、おそらく岡崎選手が脱ぎ捨てたものと思われるウインドブレーカーを手に取る中村俊輔選手の姿だった。

拾い上げ、或いはそれを畳もうとしていたのか。


中村選手が松井選手に右手を差し出したところで、画面は再びピッチに切り替えられた。


特筆すべきことではないかもしれない。

でも特筆すべきことではないワンシーンが、強く印象に残ることもある。


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「日本サッカー史 日本代表の90年 資料編」後藤健生著(双葉社)