スポーツの勝敗には、必ず“あの時”というターニングポイントがある。

 

それも傍から見て何でもないと思われる場所によくあるものだ。

 

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ゴルフでは、男子4日間、女子は通常3日間(メジャーは、4日間)でトーナメントが構成されている。
この長い期間のどの一瞬に優勝を決めるターニングポイントが訪れるかは予想がつかない。
テレビ中継では、最終日の数ホールしか映さないが、実は、その試合のターニングポイントは、最終ホールではく、初日の一番ホールのなんでもない短い50cmのパーパットであることもある。 

一瞬の出来事がきっかけに勝敗が決まり、時には、その選手のゴルフ人生を左右することさえもある。

 

 今、人気実力NO.1と言われている石川遼も同じである。アマチュア時代に、バンカーから直接カップインさせ、マンシングウエアオープンKSBカップに優勝したことは、皆さんの記憶に新しいことと思うが、彼のゴルフ人生のターニングポイントは、この試合ではなく、別のところにあったように思う。それは、彼が3勝目を挙げたミズノオープンよみうりクラシック。

 

 

一勝目はアマチュアとしての優勝、プロ入り後の一勝目のマイナビABCチャンピオンシップは、勝ったものの本当に試合を勝ち取ったという実感は無かったのだろう。はっきり言って、上位陣の崩れが勝因だ。

 

 

プロゴルファーは、両目が開いて(2勝)初めて一人前といわれるが、一勝目は半信半疑、二勝目になると少しずつ自信がついていくものである。しかし、彼にとって二つの勝ち星は、本当は半信半疑であったのではなかろうか?
2勝目を挙がられないままゴルフ人生を終わる選手が多数いる中で、石川遼でさえも当時、同じ岐路に立っていたと思う。

 

 

そこで、再び優勝チャンスのミズノオープンよみうりクラシック。最終日、最終組の石川遼は、3打リードしてのスタート。紛れもなく本当に実力が試される舞台であることは、本人が一番感じていたことだろう。

 

 

午前中の9ホールは、何とか上手くいったが、やはりプレッシャーなのか12番にゴルフ人生を左右する落とし穴があった。このホールは、両サイドOBの狭いホール。リードしていたらプレッシャーがかかるのは間違いない。そんなホールで、果敢にドライバーを持ち、結果は、左に2発OB。その結果、後続組に追いつかれてしまった。普通ならば気落ちして負けゲームの筈だった。もしこの試合で石川遼が負けていれば、自信回復に数年、もしくは、自信回復しないまま終わっていたこともありうる。そうなれば、現在の彼の活躍は無かっただろう。だがその後、どのような方法でメンタルの切り替えをし、立ち直ったのかはわからないが、そのトーナメントで争い勝ったのだ。

 

この3勝目は、トーナメントの1勝ではなく、彼自身の中で、本当に実力で勝ったと確信できた試合でもあり、プロゴルフ人生のターニングポイントになった勝利と言ってもいいのではなかろうか。

 

 

一流になればなるほど、ダメージを受けた時の気持ちの切り替えは早いが、プレーの技術もさることながら、18歳とは思えないメンタルの切り替えの上手さには、脱帽するばかりだ。