桂離宮を訪れた事は何度もありますが、訪れる度に印象が変わります。

不思議な魅力です。

様々な媒体で桂離宮についてのコメントを見ることはありますが、ほとんどのコメントが「庭」にフィーチャーされています。

そんなコメントを読むと、僕は何とも理解し難い違和感を受ける事があります。

それはどう言う事かについて、これまでから朧げながらに感じていたひとつの解答を、今回の訪問で気づけたようです。


今回、僕が得た解答のひとつは、庭だけではなく、建築との互換し合う関係からなる一体の敷地であるという事です。

つまり、建築の存在しない庭だけでは、ここまで完成度を持った庭は完成しなかったということです。

桂離宮の敷地内に分布する様々な建築群が、庭を作り出す基準となり、それらを中心として庭が造り込まれていくというプロセスがあったからこそ、今日見る桂離宮の完成度を獲得したのでしょう。


勿論、庭について上記したことは、京都にある庭のほとんど全てに当てはまる事であると思います。


そして、今回訪問した目的の大きな理由として、現在GENETOが京都で取り組んでいるMRT-projectを含む3プロジェクトにとって、桂離宮を改めて見る必要性を感じたからです。

建築について、敷地内の配置について、建築と庭について、借景となる背景の眺望との関係について、これまでとは違った所に興味を持って見ることができました。


桂離宮の敷地内には、様々な素材が多様に駆使されています。

これは、現代の建築や庭とは異なる事です。

限定的に素材を使う事は、確かにクオリティが高く見える。

実際に入念なディテールの検討等、それなりの難易度が高い訳ですが、反面、このように様々な素材を複合する事の難易度も高い。



現代と過去という時代性や、実質的な工事費等、同じ尺度で測る事は出来ないまでも、現代的な表現方法として、如何に我々は桂離宮の空間を現代的に翻訳し、新たな空間の可能性を見つけ出すことができるかについて取り組む必要性があります。


何度も訪れている桂離宮ですが、訪れている時の自分が立ち向かっているテーマや、思考があればあるほど、吸収する内容が多く、訪れる価値が一層増す事を痛感しました。



桂離宮にについて関連記事


MRT-project


桂離宮 HP


桂離宮について山中悠嗣 @ GENETO blog

桂離宮について山下麻子 @ pivoto blog





GENETOが昨年取り組んだ”小石川植物園フェンス”のコンペ案を、GENETO webにて公開致しました。


小石川植物園フェンス(Koishikawa botanical garden fence)@ GENETO



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Cool Kyoto 2012のサイトにて、GENETO 山中コ~ジが掲載されました。

内容は山中コ~ジが考えるCoolな京都について、インタビューを受けたものです。



詳しくは以下のサイトにアクセスください。

Cool Kyoto 2012






IMG_3199



初夏の着工を目指している”Project KAZ”の実施設計に向けた検討が、重ねられています。

現在はスタディ模型による検討をメインにおこなっています。

GENETO京都事務所は二条通りに面しており、窓から覗くとイギリスからインターンできているThomasが、スタディ模型を作っている様子がうかがえます。



PROJECT KAZ


週に一度の全体ミーティングを、京都事務所と東京事務所合同でおこなっており、その都度、多くのスタディ模型が並びます。

ミーティングは山下麻子の通訳でおこなわれているのですが、みんな好き放題に意見を言い合うので、彼女の負担は増えるばかり。


PROJECT KAZ


ミーティングでは、海外インターンチームの意見は多いに役立ちます。

そもそも、建築の設計には答えが無い事は事実として、答えのひとつであろう可能性に対して、様々な検討を重ねた上で、最もベターな解答を選ぶというプロセスを辿ります。

その為、ひとつのプロジェクトから、より多くの可能性を検討する必要性がある中、彼らがミーティングに入る事で、ひとつのプロジェクトを違った価値観で見る事が出来、日本人だけでは決して行き着かない方向性を見いだしてくれます。


GENETO



毎回のミーティグで生まれる様々な可能性を、次回のミーティングまでに図面と模型にするという作業はもう少し続きそうです。

現在、多くのプロジェクトが同時に進んでいる為、スタディ模型が毎週どんどん事務所に溜まっています。

用途や地域が全く違うプロジェクトを横断的に見て行く事で、より多くの可能性に気がつかされている毎日です。




GENETO

山中コ~ジ


Chris MacArthur





2008年から毎年様々なジャンルのアーティストに依頼し、GENETOのノベルティグッズとして制作していたGENETOバッジの2012年モデルのアーティストが決定しました。

2012年はこれまでで初の試みとなるイギリス在住のフォトグラファー兼グラフィックデザイナー”Chris Macarthur”に依頼することになりました。

GENETOとChrisとは既にミーティングを開始し、8月の発表に向けて、GENETOバッジ2012モデルのプロジェクトはスタートしています。




今回は海外からのアーティストを招聘してのバッジ作りということで、デザインを進めるプロセスも非常に楽しみです。

現在も様々なプロジェクトを、海外の人達と共有していますが、日本人以外の人達との仕事は我々の想像を超える場合が多く、とても刺激的で楽しいケースが多いです。

勿論、日本人とのプロジェクトも面白く有意義ですが、デザインに対しての趣味趣向であったり、ムーブメントであったりが、どうしても偏りがちになる事は事実で、そのレベルでの議論に陥りがちとなるケースも非常に多く、残念な思いをする事も多々あったりします。

違った価値観をしっかり持っている海外の人(学生含め)の方が、結果得られるプロジェクトの成果物には大きな広がりが期待出来ます。



プロジェクトの進捗状況は、GENETO blogでご報告していきます。

GENETO blogはコチラ


Chris MacArthur Biography

クリス・マッカーサーはカナダ、バンクーバー出身の写真家兼グラフィックデザイナーであり、最近ではロンドンに活動の拠点を置いている。 80年代ヒップホップやサーフカルチャーと同様に、セブンイレブンキャンディやゴールドフロント、HAIR METALやポップアートに象徴される様な伝統から飛び出し、クリスは大阪、サンフランシスコ、ニューヨークなどの都市で過ごし、よりコスモポリタンなライフスタイルを実践している。


Chris MacArthur is a photographer and graphic designer from Vancouver, Canada currently based in London. Emerging from a tradition characterized by 7-11 candy, gold fronts, hair metal and pop art, as well as 80’s hip hop and surf culture, Chris has since embraced a more cosmopolitan lifestyle, having hung his hat for extended periods in the fine cities of Osaka, San Francisco and New York.



Chris MacArthur WEB


GENETOバッジ関連記事

GENETOバッジ2008(齋藤 譲一)

GENETOバッジ2009(Gustav Klim)

GENETOバッジ2010(高木み江)

GENETOバッジ2011(佐川綾野)




Thomas




新しいインターンはイギリス バーミンガムから来た”Thomas Haywood”です。


彼は短期間のインターンではあるのですが、GENETO事務所の空気感を知るためやって来てくれました。

期間が短いと、色々なプロジェクトに対して担当を持たせる事は難しいですが、我々が日々どのようなプロセスで設計を進めているかを感じ取ってくれればと思います。


Yiotaに加えThomasが来た事で、GENETO京都事務所の外国人率が非常に多くなり、聞こえて来る会話も英語が中心となっています。

勿論、僕自身は話せないのですが、毎日聴いていると少しずつ理解できるようになっている自分自身に驚いています。

短期とは言え、色々な経験をしてくれればと願っています。


それにしても、GENETOに来る海外インターンはイギリスからが非常に多い。


この調子でロンドンでおこなっている”NRW-project”が順調に進みだせばと願っています。


イギリス




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Michael Smith


Anca Milut


林 国義


Panayiota Toumba




NRW-project



GENETO

山中コ~ジ


M-PROJECT



京都 伏見の住宅地で取り組んでいるプロジェクトで、この日は敷地模型を使ってのミーティングです。

敷地模型を作る事で、様々な情報を視覚的に得る事ができます。

隣地との高さ関係や、隣家からの視線について等、俯瞰した状態での状況把握が出来ます。


M-PROJECT


この日は午前中に、構造家との事前ミーティングをおこない、夕方からクライアントとのミーティングというダブルヘッダーな一日でした。

今回の敷地は盛り土により造成された土地なので、地盤が軟弱である事が最大の懸案事項です。

地盤の軟弱化により既存の建築が傾いており、当初はリノベーションにしようというクライアントの意向から、地盤改良をほどこした新築にしようという考え方にシフトしています。

地盤改良を視野に入れ、新しく計画する住宅について、様々な意見を構造家の橋本一郎氏からいただきます。


M-PROJECT


夕方になると、仕事を終えて事務所にクライアントがお越しになりました。

この日は構造家の意見を伝えたり、クライアントの住宅に対する思いをヒアリングするなど。

クライアントとは同世代と言うこともあり、非常に身近な価値観で話せます。


M-PROJECT


クライアントとのミーティングは敷地模型がある事で、スムーズに意見交換が出来ます。

今回の計画では、比較的広い敷地という事もあり、庭園と住宅の関係性を重視しながら、設計を進めて行く事となりました。

その為、各居室に必要なボリュームをスタイロフォームで削りだし、それらを用途に合わせて配置する事で、敷地に配置される建築群と庭園の関係性をイメージしていく作業をおこないました。


M-PROJECT


建築という広範囲なジャンルの中でも、とりわけ住宅は住み手の意向が最も反映されるもののひとつです。

それだけに、クライアントそれぞれが大切に考えている内容が違い非常に面白い。


ゴールデンウイークが終われば、ファーストプレゼンテーションです。



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GENETO 山中コ~ジ





GENETO NEW PROJECT


GENETOが一昨年取り組んだ”京都府立総合資料館”のコンペ案を、GENETO webにて公開致しました。

敷地は我々GENETOの3人が、学生時代を過ごした京都府立大学の隣ということもあり、とても印象深いプロジェクトでした。




京都府立総合資料館(Kyoto Prefectural Library and Archives)@ GENETO


 AECCafe.Com

昨年4月に竣工しましたGENETOの最新作”JIDAIYA ARASHIYAMA”が、建築系WEB SITEの AECCafe.Comにて紹介されています。



JIDAIYA ARASHIYAMA


JIDAIYA ARASHYAMAは京都 嵐山にあり、時代衣裳に変身し、撮影するという業態の商店です。

メイクルーム、着付け室、写真スタジオ等という特殊な用途を含む設計ということで、非常に学ぶ事が多いプロジェクトでした。


詳しくは以下にアクセスください。

JIDAIYA ARASHIYAMA @ AECCafe.Com




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JIDAIYA ARASHIYAMA (GENETO HP)


JIDAIYA ARASHIYAMAプロジェクトプロセス (GENETO blog)


JIDAIYA ARASHIYAMAプロジェクトプロセス (pivoto blog)


JIDAIYA ARASHIYAMA HP


JIDAIYA ARASHIYAMA blog




2月からちょくちょく京都事務所に行っています。

一つは、京都事務所が新しく広くなったことと、 もうひとつは、現在京都では3つのプロジェクトが動いています。

それの一つのプレゼンをしたり、現地を見に行くためです。

今になって、京都という街については色々考えさせられます。 昨年4月にオープンしたJIDAIYA ARASHIYAMA (JDY)でも考えさせられたことではありますが、 JDYは、店舗で既存建物の改装をメインとした物件でした。

なので、既存建物を街にどうなじませるかということに注力しました。

今取り組んでいる物件は3件とも新築ということで、新たに街にたいして立ち現れる建物をどうつくるかがテーマでもあります。

そこには、当然京都市が規制してるものがありますが、その規制がほんとうの意味で機能していないのが現状です。

そういった規制にたいして、そして、今後の京都の街並みに対しての提案を行うプロジェクトとしてGENETOでは、毎日議論を繰り返しています。


一つ目は、祇園界隈のプロジェクトの敷地です。

P1120105

この辺りをサーベイのために、徒歩で町の至る所を歩きました。 京都にいた頃には、踏み入れたことのないところが殆どで、発見の連続でした。

この辺りは、それぞれの町に対して様式が決められていたり、軒のラインを揃えることや、屋根勾配が決められています。

P1120107

この規制がかけられる前にできてしまっている建物があったり、規制に答えたように作られていても、結局現代的な作られ方で、意味をなしていないものなど、街並みは比較的京都らしい雰囲気を残している場所も有りますが、その中にもどう見ても違和感を感じる建物が建っています。

P1120150

新しくても、この写真のようにしっかりと作られている建物も有ります。

木の色がまだまだ綺麗ですが、何十年とたつことでいい風合いが出てくるのだと思います。



二つ目は、西陣界隈の敷地です。

コチラはシバヤマンションというプロジェクトです。

P1120166

祇園から西陣へ移ると町の雰囲気は一変します。 先ず建物の様式が変わってきます。町家と一言で言ってもほんとに多種多様です。

P1120164

このように通りから引きをとって、街区の奥に建物が建っていたり、路地の雰囲気も全然違います。

この辺りは、用途地域も準工業地域ということもあり、工場が立ち並んでいた地域です。

現在は、マンションや一般の住宅が立ち並んでいます。 町家の数は減っていますが、西陣地域の趣は今でもあります。

P1120169

町家の側面は、木です。これが、祇園の方に行くと側面の仕上げが違います。 街によって違う建物のおもしろさ。

規制がなくなれば、みな同じようなものを作ってしまうであろう現代の状況にたいして、以前はもっと住まう人それぞれが自分の家や街に対して関心が強かったのでしょう。


三つ目は、伏見の方です。山の中腹にある住宅街です。

P1120172

この地域は、風致地区で、一定の制限はあるものの、歴史的な物を引き継ぐということではなく、ある程度の景観を守るといった程度の規制です。

それでも十分厳しいのですが。

P1120178

まず、敷地の区画が大きいですから、建っている建物も立派なものばかり。別荘かと思うような佇まいのものもあれば、まるでお城のような住宅まであり、興味深いエリアです。


今回の敷地は、それぞれに個性があり特殊な地域での計画です。 京都の景観規制などは、それぞれに面倒なものという気持ちしか持っていなかった学生の頃でしたが、今はどう向き合うかを真剣に考える必要性をすごく感じます。

京都らしさや、今後の京都の景観のあり方。 そういった広い視点が必要になってきました。 今回の京都での三つのプロジェクトは、かなり中身の濃いものになりそうです。

今後のプロジェクトの進捗もご期待ください。


JIDAIYA ARASHIYAMAについてのblogはコチラ

JIDAIYA ARASHIYAMAの詳細はコチラ

シバヤマンションについてのblogはコチラ


GENETO

山中悠嗣






GENETO KYOTO OFFICE


新しいGENETO京都事務所は二条城通りに面しています。

通りに面した窓辺からは、スタッフが模型を制作している様子が見れ、毎日の様に事務所の前を通る人は、模型が少しずつ出来て行く様子がリアルタイムでに見ることができます。


KAZ PROJECT


この日は群馬県で進んでいるプロジェクト”KAZ”のミーティングです。

今回の構造を託すのは、構造家 高見澤孝志氏です。

東京在住の高見澤氏ですが、関西出張に合わせて京都事務所を訪れてくださいました。

丁度、京都事務所に帰って来ていた山中悠嗣と3人で、構造について話し合います。


KAZ PROJECT


今回のプロジェクトは、クライアントによるセルフビルドでおこなう事が決定されました。

セルフビルドという手法へと辿り着いた理由は様々ですが、最もな理由として、クライアントは料理人でもあるのですが、これまで様々な仕事を経験していたということからでした。

例えば、車のエアロパーツ屋さんで職人をしていた経験からFRP作業が出来たり、電気工事屋さんで働いていたりと建築工事を知らない訳ではなく、むしろプロ並みに仕事が出来るという事でした。


KAZ PROJECT


そこで、pivotoによるプレキャストフレームと、現場でクライアントと共同で施工をおこなうという作業を前提とした構造について話し合われました。

今回の様なセルフビルドと言う施工方法は、施工領域が縮小する可能性も当然ありますが、反面、施工領域が大幅に増える可能性も存在します。

その領域を、我々がどのように見つけ出すことができるかが、基本的な計画では非常に重要であると考えています。


セルフビルドと言えるかどうか、些か微妙ではあるものの、これまで高見澤氏と共同で取り組んだ作品は、pivotoによる施工量が非常に多いという経験があります。


最初はscan(GLOBAL GALLERY)というカーショールームの作品です。

当時を振り返ると、OSBボードを工房で貼り合わせ、切り抜かれたフレームを現場へ持ち込み、ディテールを加工し制作すると言うもの。

2度目はUE-HOUSEという住宅リノベーションの作品です。

これは、間仕切り壁のほとんどをpivotoによる収納家具として制作した上、踏み板がキャンチレバーの階段までも制作し、現場での施工をおこなう等、大工さんの変わりに作った物が非常に多い作品です。

他にも、Diesel denim gallery Aoyamaでおこなったストアインスタレーション”power plant”や、DG-HOUSEもpivotoによる施工領域がとても多い作品で、そのどれもが高見澤氏との共同で作った建築です。


それだけに、今回もpivotoとクライアントにより作られる建築は、我々にとっても新たな挑戦となる事は間違いなく、これからどんどん進むプロジェクトなだけに、非常に楽しみであると同時に、慎重な時期に突入していることを実感しています。



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scan(GENETO HP)

scan プロジェクトプロセス(GENETO blog)


UE-HOUSE(GENETO HP)

UE-HOUSE プロジェクトプロセス(GENETO blog)


power plant(GENETO HP)

power plant プロジェクトプロセス(GENETO blog)

power plant プロジェクトプロセス(pivoto blog)


DG-HOUSE(GENETO HP)

DG-HOUSEプロジェクトプロセス(GENETO blog)

DG-HOUSE プロジェクトプロセス(pivoto blog)



GENETO

山中コ~ジ


M-complex building


京都市内で取り組んでいるとあるプロジェクトの為、GENETOメンバーで祇園界隈のサーベイをおこないました。


メンバーは東京事務所で現在代表を務める山中悠嗣、京都事務所の山下麻子と僕に加え、イオタと福嶋友美(京都女子大)の5名。

調査範囲が非常に広いため、今回は5名で挑みます。

我々が地域サーベイを建築の設計に取り込むようになったのは、料亭のプロジェクト”YOC-project”の基本計画から始まりったことを記憶しています。

その後、多少の調査内容をブラッシュアップしておこなったJIDAIYA ARASHIYAMAの基本計画が、現在GENETOで取り組んでいるサーベイの元となっています。

当時と同じく今回の調査対象は、”建築のファサード(様式)”と”用途”についてです。

2つの調査に加え、ビデオによる記録もおこないました。


M-complex building


各人の担当エリアに別れてサーベイをおこないます。

建築の設計者は大抵の場合、対象となる敷地へ出向き、写真を撮影したり散歩をしてみたりと、敷地の情報を収集します。

これはGENETOも同様におこないますが、建てる建築物が住宅の様な個人や、家族など小単位を対象とした物で無くなった場合は、様々な仮説を立てた上でサーベイをおこないます。

仮説を立てる事で、自ずと調べる内容が見えて来ますし、自分達が得たいコンテクストを見つけ出す近道となり、結果的にクリエイティビティやソリューションへと計画が結実する事が多い為です。

また、多くの人々が利用する建築ということで、思考の相対化にも寄与しているともいえます。


M-COMPLEX BUILDING


色々なエリアを歩きましたが、京都は本当に路地が多い事を再認識させられました。

最も多い路地では幅が1500mm前後ですが、中には900mm程度の路地も存在しており、一体この奥でどうして建築したり、家具を運び込んだりするのかと、想像を巡らしてしまう場所もありました。

色々な路地へ入りましたが、路地の持つ独特の圧迫感や、日陰独特の空気感があります。

通常ネガティブなはずの暗くて狭い空間であるにも関わらず、魅力的な路地が多い。

それは、日の当たる空間から、もうひとつの異空間へと移動する、いわゆるチューブ状になっており、外と内を経験する独特のシーンや体験を生産する仕組みとなっているからではないでしょうか。


M-COMPLEX BUILDING


サーベイでは、路地の他にも多くの魅力的な建築を発見しました。

コチラは木造三階建てで、日本建築の前面に洋館が増築されています。

現在は窓ガラスが割れ廃墟となっていますが、この建築程魅力を感じさせられる存在はありませんでした。

花街に建つこの建築は、街の過去を記録するタイムマシーンの様な存在です。

飲食店でも入り、いつまでも保存できれば、街に記憶と魅力を与えられる存在になるでしょう。


M-COMLEX BUILDING


これは近代建築ですが、雑居ビル独特の佇まいを見ることができます。

デザイン性を与えている訳ではなく、必要なボリュームが必要な所に設けられている。

一見すると安直で、暴力的な建築として見えますが、少しずつ改良(?)されているファサードを見ると、なかなか見応えがあります。

飲食の娯楽建築として建てられた上の2物件を見比べると、ひとつ上の建築には文化性を感じ、下の建築には経済性を感じさせられます。

どちらも魅力的ではありますが、日本人が失った”何か”を知る切っ掛けになる好例の建築で、有る意味近く、有る意味対局に位置する存在であると強く感じさせられました。


色々な事柄について、感じさせられた今回のサーベイです。

それは、自分が現場に赴かなくても済む定量調査だけではなく、自分が赴く事で解る定性調査も同時に行えるからでもあります。二つの調査方法を駆使する事で、より高解像度のデータを入手する事ができます。


今回得た情報を、如何に建築のコンセプトへと結びつけることができるかについては、今後のプロジェクトで我々が繰り返す議論であり、ひらめきであったりします。

今後の推移が非常に楽しみなプロジェクトです。



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JIDAIYA ARASHIYAMAサーベイ結果(動画内)はコチラ


JIDAIYA ARASHIYAMA (GENETO HP)


JIDAIYA ARASHIYAMA HP




GENETO

山中コ~ジ


M-PROJECT



新しく我々が取り組むプロジェクトは、京都市伏見区にある日本家屋と日本庭園が残る敷地です。

家屋と庭は40数年が経っており、役所や持ち主にも、敷地図面はおろか建築の図面すら残っていないと状況です。

計画するにあたり、敷地の測量と、気になる部分の測量をおこなうこととしました。


YIOTA


なかなか日本家屋を測量する機会は無いはずだから丁度良い機会だと、インターンでロンドンから来ているイオタが測量担当になりました。

大工さんがひとつひとつ丁寧に木を加工し、造られている家屋の納まりについての説明をしつつ、測量を進めていきます。


M-PROJECT


敷地は南東が庭に囲まれ、和室に空けられている雪見障子から、それらを望むことができます。

40数年間という時間が作り出した庭の様子は、濃密な存在となっており、我々が足を踏み入れるような隙はなく、ある種の自然と同化している様でもあります。

これは決して人間だけで作る事の出来ない空間の濃度です。

この濃度を敷地が持っているポジティブストックとして、我々が如何に建築を計画できるかが、今回取り組むべき最大の焦点でしょう。


M-PROJECT


特に京都で建築を設計する際、我々は何にテーマを持つべきであるか、そろそろ考える年齢になっており、都市としても同じようなテーマを社会から突きつけられていると感じています。

すでに、ひとつの建築ではなく、京都としての景観についてや、ブランド力について考えながら、ひとつひとつを設計していくという、重要な役割を持っているんじゃないかと。

そう言う点で、京都で設計する依頼があれば、その都度が学ぶ為の媒体であり、ケーススタディーでもあると言えます。


日本庭園 GENETO


これまでのGENETO作品として京都で取り組んだ作品は、AK-HOUSEに始まり、家具家、JIDAIYA ARASHIYAMAとあり、現在では3つのプロジェクトが京都市内でおこなわれています。

京都といっても、地域により建築の様式は様々なので、それらを統合できるものではありませんが、プロジェクトの度に色々な敷地をサーベイする事で、京都の建築とは本来どう言った物であるのかについて、考え気づかさせられます。


そう言った意味で、今回のプロジェクトも非常に難解であり、興味深く楽しみです。



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AK-HOUSE

家具家

JIDAIYA ARASHIYAMA


イオタ(Panayiota Toumba)についてはコチラ



GENETO

山中コ~ジ


Panayiota Toumba


GENETOの外国人受け入れ4人目としてイギリス(ロンドン)から”Panayiota Toumba ”がGENETO京都事務所に来ました。

両親はキプロス島の出身らしく、とっても陽気な性格の持ち主です。

詳しく聴くと、アジア圏に来る事は今回が始めて。

その上、日本についての基本的な情報はほとんど持っていないとのこと。


PANAYIOTA


来日した翌日から事務所でのインターン生活が始まりましたが、早速サーベイ用に地図のトレースや、来週に打ち合わせがあるプロジェクトの模型制作に取り組んでいます。

海外からやって来るインターンのモチベーションは非常に高く、いつもGENETOに新たな刺激を与えてくれます。

語学も数カ国語話せ、CGや模型も想像以上に上手い。


Panayiota最初に取り組んでいるのは、まだ未発表のプロジェクトです。

このプロジェクトは指名コンペで、現在は全く情報を公開できないのが残念なところです。

敷地と建築のプログラムは日本文化を象徴する内容なので、彼女が関わる事で、少しでも多くの日本文化を知ってもらえればとも願っています。



互いに議論を繰り返しながら、ひとつのプロジェクトに取り組む事で、我々にとっても得られる事は非常に多いと考えています。

それは、育つ環境が全く違う事で、プロジェクトに対する見方や、考え方が我々とは大きく異なるからです。

育つ環境に加え、DNAの違いも感じさせられます。

前回、GENETOにインターンとして来ていた林国義君は、生まれも育ちもイギリス ロンドンですが、現在の日本人よりも礼儀正しく、日本人らしさを感じさせられました。

同様に、彼女の陽気さはキプロス島のDNAがしっかりと性格に反映されている事が解ります。

この感覚は、移民を受け入れていない日本だけで暮らしていては、決して解らない事であると思います。



GENETOにとって、新たな起爆剤となる事を彼女に願っています。

イギリス




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Michael Smith

Anca Milut

林 国義



GENETO

山中コ~ジ




PROJECT KAZ


現在、群馬県館林市で計画中のイタリアンレストランのスタディー模型を制作しました。

今回制作したスタディ模型は、建築全体のボリュームを削りだし、更に構造フレームの位置に従いカットしていきます。



群馬県 館林市カットすることで現れる断面に、構造フレームが入っていきます。

今回検討した構造は、直角に交差するフレームではなく、設定値を予め決めて交点を結ぶことにより出来るランダムなフレームによる構造体です。

直角に交差する事に比べ、様々な角度で交差するフレームは、様々な角度から受ける応力に対し、建築の変形を防ぐことができます。



PROJECT KAZまた、構造フレームの場所や形状を検討する為に制作した模型ですが、模型を見ているうちに色々な可能性について、気がつきます。

それは、構造体としてスライスされた断面と、残った塊についてです。

フレームと言う概念を捨て、スリットとボリュームと言う見方をするだけで、独特のシークエンスや、ボリュームが生まれ建築の可能性は膨らみます。


そのような、ひとつのスタディー模型を作るだけでも、多くの可能性について気がつくことができることも、スタディ模型を作る事の意味と言えます。


project kaz

そして、もうひとつ面白い発見をしたのは、敷地模型を並べる事で分かる建築の密集度です。

手前は東京都練馬区で計画していた住宅の敷地模型。

真中は群馬館林市で計画中の敷地模型。

奥は京都市上京区で計画中の敷地模型。


我々は建築の計画を始める際は、必ず1/100スケールの敷地模型を制作する事から始めます。

それは、建築を設計する環境がどう言った状況なのかを把握する為です。

そして、これまで作って来た同スケールの敷地模型を見比べる事で、これまで経験して来た敷地のスケールや隣地との距離、環境について等、取り組む物件と以前の物件との差異から、色々な目測や仮定を立てる事ができるからです。

その為にも、非常に重要な1/100スケールの敷地模型です。

見比べると、用途地域が違うため、密集度については比べようがありませんが、計画中のシバヤマンションの敷地は、本当に住宅や集合住宅が密集していることが理解できます。


GENETO スタディ模型それぞれに与えられた敷地の予見を、我々は如何に読み解き、イノベートできるかについて、議論し模索していかなければなりません。

そんなプロセスこそが、建築の新たな可能性を生み出す原動力に繋がる事と期待できます。

現在、我々が取り組んでいるどのプロジェクトでも、今からとても興味深いプロジェクトであると実感しています。


今後のproject KAZについても、徐々にレポートできればと考えています。



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山中コ~ジ